溶接とは

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溶接のはじまり

ヨーロッパでは、紀元前3000年頃の青銅器の遺物から鍛接、リベット、ろう付けなどの加工の痕が見つかっており、紀元前1350年頃に造られたツタンカーメンの棺の中からは、鍛接した装飾品が発見されています。また、中国の三星堆遺跡(さんせいたいいせき)には、紀元前2500年の最古級の青銅器が含まれており、母材と母材の間に溶かした溶加材を流し込む鋳掛けという方法で、すでに溶接が用いられていました。日本では、紀元前3世紀ころから鉄器が見つかり、鉄器とともに鉄の接合技術が伝わったと言われています。溶接の歴史はとても長いですね。

溶接とは、材料に熱や圧力を加えて異なる材料を接合し一体化させる加工方法です。必要の応じて、溶かして接合に使用する材料「溶加材」を使って接合する加工も含まれます。溶接加工法は60種類以上と多種ありますが、大きく分けると、「融接」「圧接」「ろう接」の3つに分けられます。現代では、融接の「アーク溶接」と圧接の「スポット溶接(抵抗溶接)」が、主流となっています。

溶接法分類

融接(溶融溶接)とは

融接は、溶接の中でもよく使われている一般的な溶接方法です。具体的な溶接方法については、被溶接材料(母材)に熱を加えて、溶かして部材を接合する溶接法です。

言葉で説明する事はなかなかイメージしずらい方も多いと思いますが、「溶接」と聞くと多くの方が連想するであろう、火花を散らし溶接がまさにこの融接に当たり、火花を散らす溶接はほぼほぼ融接に当てはまります。もっとも基本的な溶接方法で、「アーク溶接」が有名です。物体を熱して溶かし、それを冷却して結合させるプロセスを指します。ただし、具体的な融接の種類や方法は、各種溶接方法によって異なります。

融接の溶接法例

アーク溶接

アーク溶接は、溶接する母材と電極棒にアーク放電を発生させ、生じる高温を利用した溶接法です。アーク放電(Ark Discharge)とは、2つの離れた電極に電圧をかけ続けることで、2つの電極間に電流が発生することで、強い弧(Arc)状の光が発生することから名づけられています。強い光と同時に、高い熱を発生し、この熱を利用する溶接方法を「アーク溶接」といいます。溶接で使用されるアーク放電は、高いものでは2万度に達するものもあり、多くの種類の母材に対応することから、多くの産業分野で広く用いられています。

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2種類のアーク溶接
溶接加工の加工実績一覧00015
非溶融電極式

ガスシールドアーク溶接を含む「アーク溶接」は、
溶接棒またはワイヤが溶けけない形式

■ TIGティグ溶接
■ プラズマ溶接   など

溶接加工の加工実績一覧
溶融電極式

ガスシールドアーク溶接を含む「アーク溶接」は、
溶接棒またはワイヤが溶ける形式

■ MAGマグ溶接
■ MIGミグ溶接   など

溶接のプロ集団である無双の溶接風景3連
ティグ溶接(TIG溶接)とは

ティグ溶接はTungsten Inert Gasの略で、電気を用いた「アーク溶接」のひとつです。ティグ溶接火花は飛び散らすことなく、鉄鋼やステンレス鋼の他、アルミニウム合金やマグネシウム合金等、ほぼ全ての金属溶接が出来る溶接方法です。

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溶接について溶接のプロ集団である無双の解説
ミグ溶接(MIG溶接)とは

ミグ溶接(MIG溶接)とはMetal Inert Gas Welding溶接の略です。ミグ溶接(MIG溶接)と似た溶接でマグ溶接(MAG溶接)もありますが、これらはガスシールドアーク溶接の分類で、大きなくくりとしては同じ溶接工法です。

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レーザー溶接

レーザー溶接とは

レーザー溶接とは、レーザー加工機を使いレーザー光を発射させて溶接する溶接手法です。ほかの加工に比べて比較的強いレーザー光を照射することが特徴的で、この強い熱源を用いて母材を溶かし接合する技術です。また、レーザー光の照射範囲は、アーク溶接のアークと比較すると極めて小さな焦点になるため、融点の異なる溶接材料の接合が可能です。

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その他の融接における溶接方法

■ 電子ビーム溶接
■ プラズマアーク溶接

圧接(加圧溶接)の溶接法例

母材になる金属の接合部分を摩擦などによって加熱し続け、圧力を加えて接合することを「圧接」といい、加圧溶接の略で「固相接合」ともいわれます。圧接は、接合部(溶接継手)に機械的圧力を加えることで溶接する溶接法の総称です。

圧接による溶接方法は、硬い金属製部材に使用されることが多く、「スポット溶接」が有名です。具体的な手順は、圧接する材料を適切に加熱し、材料表面が融解しやすくします。その後加熱された材料を所定の位置に配置し、圧力をかけます。この圧力によって、融解した材料同士が密着し、溶け合います。圧着が完了したら、十分な時間をかけて冷却します。これによって、材料同士が固まり、一体化が完成します。熱源としてガス炎、電気アーク、レーザーなどが使用されることがあります。圧接は、溶接の際に溶融した金属が酸素と反応することを防ぎ、酸化膜の形成を最小限に抑える利点もあります。

スポット溶接

2枚の母材を2つの水冷された電極棒で挟み込み、大きな電流を流すことで生まれる抵抗熱を用いて溶接する溶接手法です。薄い板同士の溶接に適しており、3枚以上の板金を2,3秒で溶接することも可能です。このように生産性が高い点や、ほかの溶接と比べると簡単に溶接することが出来る点もあり、自動車を製造する際の車体にも、このスポット溶接が使われています。

「スポット」つまり「小さい点」からきています。この名前の通り、溶接する箇所は点のように小さいことが特徴的です。溶接箇所が小さいために、見栄えとしてはほかのどの溶接に比べても、きれいな仕上がりになるという事も特徴として挙げられます。

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シーム溶接

2枚の円板を用いて、線状に溶接する方法です。特徴としては気密性が高く電子部品や、燃料タンクなど気密性が必要な製品によく使われる溶接手法です。真空シーム溶接装置という装置を使い真空中でローラー電極によって気密封止することができます。点状で繋げ連続した一直線の溶接線を作る溶接方法なので、スポット溶接に当たります。スポット溶接については、下記の「スポット溶接とは?」をご覧ください。

シーム溶接は手動による溶接工程がほとんどなく、一度装置に設定すると溶接作業者の技量に左右されることが、あまりありません。その為、溶接熟練度が高い人でも、低い人でも、出来上がりの品質がある程度一定になるという溶接メリットがあります。

その他の融接における溶接方法

プロジェクション溶接

融接(溶融溶接)

被溶接材料(母材)を溶融せずに、溶加材を溶かし接着剤として接合する溶接の一種です。溶接材が鑞(ろう)の為「ろう接」と呼ばれる。溶加材の融点によって硬ろうと軟ろうに分けられます。一般的には、材料を高温に加熱して溶かし、溶融した状態で冷却して接合します。

その他の融接における溶接方法

■ 硬ろう付け
軟ろう付け(はんだ付け)

溶接の加工実績

真空バルブのTIG溶接

融点3380℃と金属の中で最も高融点のタングステンまたはタングステン合金を電極とし使用

オールステンレス製の溶接

青のビニールテープの箇所はSUS430、それ以外の部分にはSUS304の複合製品です。

ブラケットのTIG溶接

溶接後の反り・歪みと角を溶かさないように気をつけ、ビードも綺麗に出ています。

大型バルブのTIG溶接

ピンホールができないように注意を払うことがポイントです。

検査用架台の溶接

材料取りと溶接時の歪み、反りに注意しながらの取り付けに配慮。

ステンレスラックの溶接

スペースが限られる為、サイズを確認して寸法しました。

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スポット溶接を図で解説
スポット溶接とは

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